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宮崎駿、監督作品、「風立ちぬ」いろんな意見があるだろうが、--

宮崎駿監督が、アニメの長編映画の世界から引退するというニュースが流れた。

そして、本日、引退会見が行われた。今回は本気であると述べた。その背景にあるのは、創作にかかわる年齢的なことやジブリ美術館に力をいれていきたい、などということだったらしい。とにかく、大変残念なことである。個人的には、、引退した歌手が、再び歌手活動をするように再び監督作品を作ってもらいたいと思っている。

 

私は、9月2日の午後、越谷市内にあるシネコンで「風立ちぬ」を観た。

映画が始まって間もなく、関東大震災のシーンになった。地震が大の苦手の私、朝、大好きな番組、「あまちゃん」で震災場面を観た。身体が硬くなるような心もちで画面を見つめる。場面は、変わって、飛行機の設計に夢中になる男(堀越二郎)と菜穂子を軸に物語は進展していくが、映像の美しさに魅了された。

 

この映画に関しては、様々な評価があるようだ。モデルが、零戦の設計者である堀越二郎であったこともある。

宮崎駿は、戦争についてどう考えているのか?反戦をもっと描くべきではないのか?こうした意見は分かる気もするが、宮崎駿氏は、あるインタビューでこんな風に答えていた「あの時代は、飛行機の設計者が、戦闘機を設計する自然な流れだった。ひとりの飛行機の設計者を描いたものだ。」(言葉、そのものではない。意味合いである。)

 

私の観た印象は、宮崎駿は、あくまで素晴らしい機能をもつ飛行機の設計に情熱を傾ける堀越二郎なる男と菜穂子との恋物語を合体させた宮崎駿(或いはジブリ)的世界を描きたかった、だった。

この夏、私は、近代文学館主催の「夏の文学教室」を聴講した。「文学教室」とは言っても、場所は、読売ホール、講演会の形式だった。

その日の3時間目は、高橋源一郎氏、帽子を被って出てきた高橋氏は、映画「風立ちぬ」について、堀辰男、谷崎潤一郎太宰治と関連付けて、「実はこの映画は、宮崎駿描く反戦の映画だと述べた。(最後に妄想的という言葉を添えていたのだが。)そうした観点からも、興味深く観たのだが、高橋氏の意見は深読みし過ぎに思えた。ラスト近く、戦闘機の残骸がそれを象徴しているようにも想えたが、反戦を強く訴えているとは考えられない。

 

飛行機の設計に情熱を傾ける男と病に倒れながらもそんな彼を一途に愛し続ける女のステキな物語、それでいいではないか。これが私の結論である。

 

蛇足と思えることをひとつ、禁煙の団体が、「タバコをぷかぷか吸うシーンは好ましくない」という意見を述べていたが、私も実は人が吸う煙草の煙は大嫌いなのだが、今回の件については賛同し兼ねる。時代がそうだったのだから、受け入れるより仕方ないのである、と述べておきたい。