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そば打ち名人、高橋邦弘さんと弟子の距離感

NHK、プロフェッショナル、仕事の流儀、そば打ち名人の高橋邦弘さんを観ての感想。

 そば打ちが、あんなに体力がいる大変なものだとは思わなかった。

大きな玉を薄く薄くひきのばしていく。

力を要し、腰に負担がかかるのが観ていて伝わってくる。

 

 丸くひきのばしたものが、だんだんと四角くなる。

細いそばに切っていく様は素晴らしい。

その過程における高橋さんの流儀は、無駄を省くである。

効率を求めてだけではない。そばを待つお客さんにおいしさが、

失われない内に食べてもらうという意図がこめられているのだ。

 

 私が、番組を観ながら、いいなあ、と思ったのは弟子との距離感である。

料理人の世界というと、今では、師匠は絶対、弟子は時に怒鳴られながらも、ひたすら「はい、はい」と従う。そんなイメージがあるのだが、高橋邦弘さんと店で働く何名かの弟子たちの間の空気は、ちょっと違う。

緩いのである。師匠と弟子の間で、軽口が飛び交うような雰囲気があるのだ、

それでいて、弟子達は、高橋さんに対する敬意をしっかり抱いている。

本当に羨ましい師弟関係である。

 

 高橋さん、70歳になったら、今の店(広島県)をたたんで、

大分県に移る予定とのこと。弟子達は、皆、

それまでに独り立ち出来るレベルまでもっていく、という。

 

弟子をとらずに自分できりもみするようなことを考えているらしいが、

サービス精神満点の名人。無理をしないで欲しいな、と願うばかりである。