話し方が、ちょっと女形(おやま)っぽい岩下尚史さん、貴重な人だ。
NHKラジオ深夜便で、
[ないとエッセイ],~趣味を友として暮らす~を聴いた。
計4回の1回目の冒頭から、ええっ、と思ってしまう。
話し声がかん高く、女性っぽい話し方をするのだ。
歌舞伎、能楽、文楽といった日本の古典芸能に造形が深い岩下さん、子供の頃から、そういう世界にひかれていて、お小遣いをためては、地元近くの劇場に足を運び、國學院大學を卒業後は、新橋演舞場(株)に入り、企画室長の職にあった。
退職後、「芸者論:神々に扮することを忘れた日本人」で2007年度、和辻哲郎文化賞を受賞する。
子供の頃からの話も、随分個性的だったんだなあ、と興味深かったが、下記のふたつも印象に残った。
その1、
いろんな人から、歌舞伎などをより理解出来るためには、どうしたら、いいか、という質問を受ける。大抵、いい解説本は何かないかと聞いているように思えるが、日本舞踊とか三味線を習うのがいい。
その2
古典芸能は危機的状況にある。三味線とかを習う人が少なくなっている。こうした古典芸能は家元制度で成り立っている部分があるので、危惧している。
確かに、日本舞踊などは、けっこういるが、三味線とか義太夫を習う年配の人は少ないよなあ、は私の考え。
独特の語りに玉三郎を想い、時に句読点の少ない語りに泉鏡花の流麗な文体を想う。
テレビなどでも、オネエキャラが話題になったこともあるようだが、、[ないとエッセイ] を4日間聴いて、岩下尚史氏の古典芸能に対する博識と愛情を感じた。日本の文化を守るために貴重な人に違いない。
この人の本を読みたくなった。